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2/3 アフリカにょろり旅

昨日の新聞にニホンウナギの卵が発見されたニュースが出てました。
「ウナギ天然卵発見/平成23年2月2日北海道新聞25面~完全養殖に道!資源管理も期待」

僕の大好きなサケマスと全く逆の生活史を送る降河回遊魚。
自己の遊泳力を高めて旅を続けるサケマスとことなり、進化の過程で身に着けた緻密なプログラムにより海流を渡り歩くウナギ。浪漫ですね。




初めてウナギに興味を持ったのは、Tamariskの引地さんからレプトケファルス幼生の話を聞いた時。
ウナギが平べったい形をしている時期があるなんて思いもよらなかったので驚きました。

その後、サケマスの生活史を知りたくて読んだ本には、緻密かつ壮大なスケールで回遊する彼らの生活史が描かれていました。
「レプトケファルス(ウナギの幼生)はただ漫然と海流に身を任せてのんびりと旅しているのではない。むしろ逆に、両側が急峻な崖になった尾根を厳密にプログラムされたスケジュールにのっとって慎重に渡っていくようなかなり危険な旅をしているのである。(塚本勝巳:川と海を回遊する淡水魚-生活史と進化-東海大学出版会」
あぁ浪漫です。

「アフリカにょろり旅/青山潤」では、ウナギの卵を採取した塚本研究室の研究員がウナギ全18種類中(現在著者により19種目が発見された模様)、唯一まだ採集されていない種「ラビアータ」を捕獲するため、アフリカを訪れます。
そこで繰り広げられる過酷な採取生活は、華やかな探検とはおおよそ縁遠く・・・。
限られた予算の中で、いつ採取できるものとも知れない「ラビアータ」を体力精神の限界まで追い求めます。

性急な成果を求める昨今、ウナギの産卵場所探しのような大掛かりな(しかも30年以上掛けての)調査は風当りも強い様ですが、この本を読むと知的探究心が彼らを支える情熱であり、今は直接利益を生み出さないとしても、地道な研究成果こそ後世へ残せる肥やしであると感じられます。

単純に旅行記としても面白いですよ(`_´ )ゞ
by mojie0219 | 2011-02-04 00:05 | FavoriteBook
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